【保護者向けコラム】話してくれない子どもとの向き合い方|「何も言わない」に隠れた気持ちとは
話してくれない子どもとの向き合い方|「何も言わない」に隠れた気持ちとは

「何を聞いても『別に』『わからない』しか返ってこない…」
不登校や行き渋りのお子さんを持つ保護者から、よく聞く悩みの一つが「子どもが何も話してくれない」ということです。
「学校で何かあったの?」
「どうして行きたくないの?」
「何に困っているの?」
心配だからこそ声をかけているのに、返ってくるのは「別に」「わからない」「何でもない」という短い言葉だけ。
保護者としては、「本当のことを話してくれない」「私を信用していないのかな」と不安になってしまいます。
しかし、子どもが話さないからといって、「話したくない」とは限りません。
実は、「自分でも何を話せばいいのか分からない」「言葉にできない」「話す元気が残っていない」という状態であることも少なくないのです。

「話さない」のではなく、「話せない」こともある
大人でも、強いストレスを感じているとき、「どうしてつらいの?」と聞かれても、すぐには答えられないことがあります。
頭の中が整理できていなかったり、何から話せばいいか分からなかったりするからです。
子どもも同じです。
学校での出来事、人間関係、不安、疲れ…。いろいろな気持ちが混ざり合っていると、自分でも理由が分からなくなることがあります。
そんな状態で何度も理由を聞かれると、「答えられない自分はダメなんだ」と感じ、さらに口を閉ざしてしまうこともあります。
だからこそ、「話してもらうこと」よりも、「話せるようになる安心感」を育てることが大切です。
相談支援で大切にしている「OARS」という考え方
社会福祉やカウンセリングでは、「OARS(オーズ)」というコミュニケーションの考え方がよく使われています。
これは、相手が安心して話せる関係をつくるための基本的な姿勢です。
- O(Open Question):はい・いいえで終わらない質問をする
- A(Affirmation):相手の頑張りや存在を認める
- R(Reflective Listening):相手の言葉や気持ちを繰り返し、理解しようとする
- S(Summary):話を整理して伝え返す
例えば、「学校で何があったの?」と原因を聞く代わりに、
「今日はどんな一日だった?」
「最近、家で過ごしていて楽しいことはある?」
といった答えやすい質問から始めると、子どもも話しやすくなります。
そして、子どもが少しでも話してくれたら、「教えてくれてありがとう」「そう感じていたんだね」と受け止めることが大切です。
話の内容を評価するよりも、「話してくれたこと」そのものを大切にする姿勢が、信頼関係につながります。
「会話」だけがコミュニケーションではありません
「話をしなければ」と思うほど、親子ともに苦しくなってしまうことがあります。
実は、安心できる関係は、会話だけで築かれるものではありません。
一緒にテレビを見る。
好きなゲームの話を聞く。
同じテーブルで食事をする。
コンビニまで散歩に行く。
そんな何気ない時間も、大切なコミュニケーションです。
無理に話を引き出そうとせず、「一緒にいる時間」を増やしていくことで、子どもの方から少しずつ話し始めることもあります。
「今日は暑かったね。」
「このアイスおいしいね。」
そんな何気ない一言が、親子の会話のきっかけになることも少なくありません。
ワンポイント心理学
沈黙にも意味があります
カウンセリングでは、「沈黙」は悪いものではないと考えられています。
話さない時間は、相手が自分の気持ちを整理している時間かもしれません。
すぐに言葉を求めるのではなく、「待つこと」も支援の一つです。
「話したくなったら聞かせてね。」
そんな一言が、子どもにとって「いつでも話していい場所がある」という安心感につながります。
東京大志学園から伝えたいこと
「話してくれない」と感じると、不安になるのは当然のことです。
しかし、子どもは安心できる相手だからこそ、少しずつ心を開いていきます。
大切なのは、たくさん質問をすることではなく、「あなたの話をいつでも聞くよ」という姿勢を伝え続けることです。
東京大志学園では、お子さん一人ひとりのペースを大切にしながら、安心して気持ちを話せる関係づくりを大切にしています。
そして、それは保護者の皆さんに対しても同じです。
一人で悩みを抱え込まず、「どう接したらいいのだろう」と思ったときは、ぜひお気軽にご相談ください。親子それぞれの気持ちに寄り添いながら、一緒に歩んでいきます。
