【保護者向けコラム】“自己肯定感”はどこから生まれる?

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“自己肯定感”はどこから生まれる?

~ロジャーズの来談者中心療法の視点から~

「うちの子、自己肯定感が低い気がします」
「何をしても“どうせ自分なんて”って言うんです」
不登校のご相談でよく聞くのが、こんなお話です。

確かに、学校に行けなくなった子どもたちの中には、「自分には価値がない」「みんなと違う」と感じて、自信をなくしてしまっている子が多くいます。
では、自己肯定感って、どうすれば育てられるのでしょうか?

心理学者カール・ロジャーズは、来談者中心療法という理論の中で、「人が自分らしく成長するためには、“無条件の肯定”が必要だ」と語っています。

これはつまり、
「できたからすごい」「うまくいったから価値がある」ではなく、
「何もしていなくても、あなたには価値がある」と伝えられる関係の中で、人は自分を肯定できるようになるという考え方です。

不登校のお子さんにとって、
「学校に行っていない今の自分でも、受け入れてくれる存在がいる」
という実感は、自己肯定感を育てるうえで、何よりも大切です。

保護者の方ができることは、特別なことではありません。
・朝、顔を見て「おはよう」と言う
・話しかけられたら、否定せずに耳を傾ける
・今日の様子を見守ったあと、「今日も一日過ごせたね」と声をかける

そんな小さな積み重ねが、子どもの中に「今のままでいいんだ」という感覚を育てていきます。

ロジャーズはまた、人が変化するためには、「受容」「共感」「自己一致(ありのままの姿でいること)」の3つが必要だと述べました。
逆に言えば、まずは「そのままのあなたを受け入れているよ」という安心感があってこそ、人は変わろうとする力を取り戻せるということです。

「学校に行っていない子を、そのまま受け入れていいの?」と思う方もいるかもしれません。
でも、だからこそ伝えてあげたいのです。

「行っていなくても、あなたはあなたのままで、大切な存在だよ」と。

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