【保護者向けコラム】沈黙の時間もコミュニケーション

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思春期になると、家であまり話さなくなったり、必要最低限の返事しかしなくなったりすることがあります。
「何を考えているのかわからない」「このまま距離が広がってしまうのでは…」と、不安を感じる保護者の方も多いかもしれません。

けれども、思春期の子どもにとっての沈黙は、必ずしも“拒絶”や“無関心”ではありません。
むしろ、気を使わなくても離れていかない相手だからこそ、言葉が少なくなることもあります。

外の世界では、友人関係や学校生活、将来への不安など、多くの刺激にさらされています。
その中で家庭は、子どもにとって“ほっと息をつける場所”。
家で黙って過ごしているのは、気を張らずにいられる証拠とも言えるのです。

とはいえ、親としては心配になり、「どうしたの?」「何かあった?」と聞きたくなりますよね。
ですが、無理に話を引き出そうとすると、かえって距離が生まれてしまうこともあります。

そんなときこそ、「沈黙もコミュニケーション」と捉えてみてください。

同じ空間にいるだけでも、
・安心を感じる
・見守られていると気づく
・“話したいときに話していい”と思える
といった、関係の土台が静かに育っていきます。

たとえば、同じ部屋でそれぞれ好きなことをしている時間でも十分です。
決して無関心ではありません。
「おかえり」「おつかれさま」などの短い言葉がけは、丁寧に続けてみてください。
反応が薄くても、返事がなくても、それで普通です。
その一言が、子どもにとっては
「自分の居場所がここにある」
と感じられる支えになります。

沈黙は、何も起きていない時間ではありません。
お互いの心を尊重する、静かで豊かなコミュニケーションのひとつです。

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