【保護者向けコラム】学校に行きづらいお子さまに家事のお手伝いをしてもらうことの心理的効果

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保護者向けコラム
学校に行きづらいお子さまに家事のお手伝いをしてもらうことの心理的効果

学校に行きづらい状況にあるお子さまを見ていると、「何かさせた方がいいのだろうか」「無理をさせない方がいいのだろうか」と、日々の関わり方に悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。特に家庭で過ごす時間が長くなると、「この時間をどう過ごせばよいのだろう」と考えることもあると思います。

そのようなときに、実はとても意味のある関わりの一つが家事のお手伝いです。一見すると「ただの手伝い」に見えるかもしれませんが、心理学的に見ると、お手伝いには子どもの心を支えるさまざまな効果があると考えられています。

まず一つ目は、自己肯定感を高める効果です。学校に行きづらい状況の中では、「自分はできていない」「みんなと同じようにできない」という思いを抱えてしまう子どもも少なくありません。そうした状況の中で、「ありがとう」「助かったよ」と言われる体験は、自分の存在が誰かの役に立っているという実感につながります。

心理学では、人は「誰かの役に立っている」と感じることで、自分の価値を感じやすくなると言われています。お手伝いを通して「自分にもできることがある」と感じることは、子どもの自己肯定感を支える大切な経験になります。

二つ目は、生活リズムを整えるきっかけになることです。学校に行きづらい状況になると、どうしても生活のリズムが崩れてしまうことがあります。朝起きる時間が遅くなったり、昼夜逆転してしまったりすることも少なくありません。

そのようなときに、「朝ごはんの準備を少し手伝ってもらう」「洗濯物を一緒にたたむ」など、家庭の中で役割を持つことは、生活のリズムを整える小さなきっかけになります。大きなことを任せる必要はなく、「できそうなことを少しだけお願いする」ことが大切です。

三つ目は、達成感を得られることです。学校生活の中では、テストや部活動など、成果を感じる機会があります。しかし学校に行きづらい状況になると、そうした経験が減ってしまうことがあります。お手伝いは、「終わりが見える活動」であることが多く、「できた」という感覚を得やすいのが特徴です。

例えば、「食器を片付ける」「ゴミをまとめる」「掃除機をかける」など、短い時間で終わる作業でも構いません。終わったあとに「ありがとう」「助かったよ」と声をかけることで、「自分にもできた」という成功体験になります。こうした小さな成功体験の積み重ねは、子どもの自信につながっていきます。

また、お手伝いは親子のコミュニケーションを自然に生む時間にもなります。向き合って話をするのが難しい時期でも、一緒に料理をしたり、洗濯物をたたんだりする時間の中で、自然と会話が生まれることがあります。「今日これ手伝ってくれる?」という何気ない声かけが、子どもにとって安心できる関わりになることもあります。

こうした考え方は、家庭だけでなく教育の現場でも大切にされています。東京大志学園のファーストステッププランの通学日では、学習だけでなく、生活に関わる体験活動も取り入れています。例えば、調理実習や片付け、制作活動など、日常生活の中で役立つ活動を行うことがあります。

調理実習では食材を切ったり簡単な料理を作ったりする経験を通して、「自分でできた」という達成感を得ることができます。また、活動後の片付けをみんなで行うことで、生活の中の役割を体験する機会にもなります。制作活動も、手を動かして何かを作り上げる経験を通して、集中する時間や完成したときの満足感を味わうことができます。

このような活動は、勉強とは少し違う形で「自分にもできることがある」という感覚を育てる機会になります。学校に行きづらい経験の中では、自信を持つ機会が減ってしまうこともありますが、生活に近い活動の中で成功体験を積むことは、子どもの心を支える大切な経験になります。

もちろん、すべての子どもがすぐにお手伝いをできるわけではありません。体調や気持ちの状態によっては、「今日はやりたくない」と感じる日もあるでしょう。そのようなときは無理にさせる必要はありません。大切なのは、できるときに、できる範囲で関わることです。

また、「お手伝いをして当たり前」と考えるのではなく、「手伝ってくれてありがとう」と感謝を伝えることも大切です。感謝の言葉は、子どもにとって自分の行動が価値あるものだったと感じられる大きなメッセージになります。

学校に行きづらい時間は、決して無意味な時間ではありません。家庭の中での経験や、生活に関わる活動の中での成功体験が、子どもの心の土台を育てていくことがあります。無理のない形でお手伝いや生活体験を取り入れながら、お子さまが少しずつ自信を取り戻していく過程を見守っていくことが大切です。

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