【保護者向けコラム】支えるあなたが、倒れないために

「支えるあなたが、倒れないために」
~“共感疲労”とセルフケアの視点から~
「ちゃんと話を聞いてあげなきゃ」
「わたしがしっかりしないと、この子はもっとつらくなる」
そう思って、毎日がんばっている保護者の方は本当にたくさんいます。
でも気づけば、心も体もどこか重たくて、
「前はできていたことが手につかない」
「子どもに優しくできない自分がつらい」
そんな風に感じること、ありませんか?
◆ 共感疲労(コンパッション・ファティーグ)とは
心理的支援の世界では、他者を支えようとするあまりに自分のエネルギーが消耗してしまう状態を「共感疲労」と呼びます。
これは医療・福祉・教育などの現場だけでなく、家庭で不登校の子どもを支えている保護者の方にも当てはまる心理現象です。
人の気持ちに寄り添おうとする人ほど、自分の感情や身体感覚を後回しにしてしまいがちです。
でも、誰かを支えるためには、自分の心の体力を保つことが第一歩なのです。
◆ 保護者が「自分を後回しにしない」ことは、わがままではありません
「子どものことを考えていたら、自分のことなんて…」
そう思ってしまうのも、無理はありません。
でも実は、保護者の方の安定や笑顔が、子どもにとって何よりの安心材料になります。
たとえば…
- 5分だけ、深呼吸をして目を閉じる
- あたたかいお茶を飲みながら、好きな音楽を流す
- 信頼できる人と「ただ話す」時間をもつ
こうした“ほんの少しの自分時間”が、次の一歩への力になります。
◆ 自分をいたわることは、子どもへのやさしさにもつながる
子どもの状態が不安定なとき、保護者の方は自分を責めがちです。
でも、「つらいな」「休みたいな」と思うあなたの感情こそ、今のあなたの大切なサインです。
親が完全じゃなくても大丈夫。
感情に波があっても大丈夫。
むしろ、自分を大切にする背中を見せることが、子どもにとって「人は弱くても生きていい」と伝えるメッセージになります。
最後に
「お子さんの回復を支えたい」と願うあなた自身が、まず安心していられること。
それが、もっとも強く、やさしいサポートです。
どうか今日、あなた自身にも「よくやってるね」と声をかけてあげてください。
