【保護者向けコラム】その“言葉”の奥にある、本当の気持ちに気づくために

その“言葉”の奥にある、本当の気持ちに気づくために
~氷山モデルで見る、子どもの心の中~
「うるさい!放っておいて!」
「どうせ自分なんて、何もできない」
「別に行きたくないし」
不登校の子どもからそんな言葉を投げかけられて、戸惑った経験はありませんか?
一生懸命支えようとしているのに、心が閉ざされてしまう。
そんなとき、保護者の心には「これ以上どう関わったらいいのか…」という迷いが生まれます。
こうした場面で役立つのが、「氷山モデル(アイスバーグ・モデル)」という考え方です。
氷山モデルとは?
私たちの言動(見えている部分)は、氷山の「海面の上に出ている部分」にすぎません。
その下には、考え・気持ち・価値観・経験・願いなど、**目に見えない大きな“心のかたまり”**が隠れています。
たとえば、子どもが「学校なんて行かない」と強く言ったとき。
その水面下には、こんな思いがあるかもしれません。
- 「行きたいけど、怖い」
- 「行けない自分を見せるのが恥ずかしい」
- 「また傷つくくらいなら、最初から距離を置きたい」
- 「迷惑をかけているって、ちゃんと分かってる」
つまり、“冷たい言葉”の裏に、“あたたかい思い”や“繊細な葛藤”があることも多いのです。
見えている「言葉」や「行動」だけを受け止めない
子どもが怒っているとき、親がそれに反応して叱ったり距離をとったりすると、
“本当は分かってほしかった気持ち”が、さらに深く沈んでしまいます。
大切なのは、「この子の心の中の氷山の下には、何があるんだろう?」と想像してみることです。
答えがわからなくても、そういう視点で関わるだけで、子どもとの関係は少しずつ変わっていきます。
✨ 氷山の下を想像する関わり方のヒント
- 「今、何かがつらいのかもしれない」と前提をもって接する
- 「そう言いたくなるくらい、しんどいんだね」と気持ちに寄り添う
- 怒りや拒絶の言葉のあとに、「本当は、どうしたいのかな?」と柔らかく問いかける
人の心は、見えている部分だけで判断できるものではありません。
特に子どもは、自分の気持ちをうまく言葉にできず、“反発”というかたちでサインを出すことがあります。
その奥にあるものを、すぐに引き出そうとしなくて大丈夫。
でも、見えないところまで目を向けようとする姿勢は、必ず子どもに届いていきます。
