【保護者向けコラム】親子時間の過ごし方

親子で毎日一緒に過ごしていても、ふと振り返ってみると、
「子どもとじっくり向き合う時間って、意外と少なかったな」と感じることはありませんか?
お子さんの年齢が上がるにつれて、そうした時間はさらに減っていくかもしれません。
それは、心理的な自立に向けた自然な成長の一つでもあります。
でも同時に――
「子どもが何を考えているのか分からない」
「将来のことなど、大切な話をしたいけど、きっかけがつかめない」
「いざ関わろうと思っても、何をしたらいいか分からない」
そんなふうに感じることもあるのではないでしょうか。
そんなときは、こんなふうに「親子の時間」を過ごしてみませんか?
◆心地よい親子時間とは
子どもと1対1で過ごす特別な時間です。
- 子どもが「自分は大切にされている」と感じられる時間
- 親子の信頼関係を深め、問題行動の予防・改善にもつながります
◆親子時間の作り方
● まずは、提案してみましょう
「一緒に親子の時間をつくってみよう!」と、思いきって声をかけてみましょう。
子どもが興味をもちやすいように、楽しい名前をつけるのもおすすめです。
(例:「フィーカしよう」「親子タイム」など)
● 時間の目安
1日5〜10分程度でOK。
長すぎると続きにくくなるので、短時間でも「できるだけ毎日」が理想です。
事前に「今日は○時に一緒に□□しよう」と計画しておくとスムーズです。
● 何をするの?
- 簡単なカードゲームやボードゲーム
- お茶を飲みながらのおしゃべり
- ドラマや動画を一緒に見て感想を話す
- 絵を描く、工作、手芸など(見守るだけでもOK)
子どもの好きなこと・得意なことを一緒に楽しみましょう。
● 親子時間のルール
- 子どもが主役
- 命にかかわること以外は、基本的に口出し・指導なし
- 命令、不要な質問、否定はしない
- 評価やアドバイスより、共感を大切に
- 「いいこと」があったら、できるだけ具体的にほめる
- 子どもの行動を実況中継のように言葉にすると◎
● 声かけの例
子どもの様子 | 声かけの例 |
---|---|
絵を描いている | 「その色、きれいだね。工夫してるね」 |
カードゲームをしている | 「楽しいね!教えてくれてありがとう」 |
▶ ポイント:評価ではなく“共感”を。実況中継のように声をかけると自然です。
● よくあるQ&A
Q:きょうだいがいるときは?
→ 1人ずつ関われるのが理想です。曜日や順番で調整するのも◎
Q:問題行動があるときでもやっていい?
→ むしろチャンスです!関係づくりができると、問題行動の改善にもつながります。
Q:子どもが「ゲームがしたい」と言ってきたら?
→ 一緒にできるリズムゲームなどは、交流のきっかけになります。
見るだけでは会話が少なくなりがちですが、「どんなゲームが好きなの?」と関心をもつことはとても良い関わりになります。
◆ 最後に
親子時間は、ごほうびではありません。
それは、どんな子にも与えられる、無条件の愛情の時間です。
たった5分でも、
「見てもらえている」「大切にされている」と感じられる経験は、
子どもの安心感や自己肯定感を育てる、大きな力になります。