【保護者向けコラム】思春期のお子さんへの対応

思春期は、子どもから大人へと成長していく大切な時期です。
体の変化だけでなく、心や考え方も大きく動きはじめます。
「自分はどう生きたいのか」「周りからどう見られているのか」など、
これまでより自分や人との関係を深く考えるようになり、その中で気持ちが揺れたり、反抗的に見える行動が出たりすることもあります。
うまく言葉にできない不安や戸惑いを抱えながら、
自分らしさを見つけていこうとする——思春期は、そんな成長のプロセスです。
親としては、これまでのように話が通じない様子に腹が立ったり、
何も話してくれず、もどかしさを感じたりすることもあると思います。
頭では「そういう時期」とわかっていても、対応に迷うこともありますよね。
この時期は、話を聞き出したり、言い聞かせようと頑張りすぎず、
まずは“困ったときは聞くよ”という姿勢をそっと示してみてください。
■「聞くよ」の姿勢のポイント
- 無理に質問をしない
- 否定や評価を控える
- あいさつは欠かさない(返事がなくても)
- 好きなことに関心を向けながら、さりげなく同じ空間で過ごす
- 意見を伝えるときは「私ならこう思うな」と述べる
- 複数の選択肢を示し、本人が選べる形にする
子どもから明確な反応がなくても、こうした積み重ねにより、
「見守ってくれている」「関心を持ってくれている」という安心感は、確かに伝わります。
そして必要な時がくれば、「ねえ、聞いてほしいんだけど」と
自分から話し始める日がきっと訪れます。
その時に、ゆっくり耳を傾けられる心の準備をしておきましょう。
もちろん、思春期の子育ては思うようにいかず、試行錯誤の連続です。
それでいいんです。
子どもの視点からすれば、
親が完璧で、正論ばかりで押しきってしまう姿は、息苦しく感じることもあります。
むしろ、悩みながらも向き合っていく親の姿は、
“失敗しても大丈夫、工夫しながら進んでいける”という、前向きな未来像になります。
完璧を目指さず、一歩ずつ。
親子それぞれのペースで、成長していけるとよいですね。
